ダイヤモンドの普及

ダイヤモンドと言えば、宝石の王者であり市場で大きなシェアを占めています。特にブライダル市場ではダイヤモンドが過半数を占めています。

 

しかし、宝石の歴史の中でダイヤモンドが現在のような地位になったのは、わずかに数百年前のことです。

 

なぜならダイヤモンドは原石のままではあまり輝かずガラス玉と大して変わりません。

 

昔は色や模様が美しいカラーストーンであるエメラルド、サファイア、ルビーの方が評価が高かったのです。

 

ここではダイヤモンドが何故普及していったのかを考えてみたいと思います。

 

キンバーライトの発見

 

ダイヤモンドの普及の原因の1つ大規模採鉱が可能になったことです。

 

ダイヤモンドは元々河川の砂礫層でしか見つかっていませんでした。

 

別の場所の岩石が風化浸食された物が河川に流されて運ばれてきて、堆積した漂砂鉱床(alluvial deposit)からダイヤモンドが採掘されていたのです。

 

漂砂鉱床では個人個人の力でしかダイヤモンドを採集できませんでした。

 

ところが南アフリカでダイヤモンドが発見された時、キンバレーの町でダイヤモンドの母岩が発見され、町の名前を取ってキンバーライト(kimberlite)と名付けられました。

 

直径1kmのパイプ状のキンバーライトの発見によって近代的な大量採鉱が可能になり、産出量が飛躍的に増大しました。

 

その結果流通するダイヤモンドの数が増えてダイヤモンドの普及につながったのです。

 

ブリリアントカット(brilliantcut)の発明

 

ダイヤモンドは原石のままではあまり美しくなくガラス玉とあまり変わらなく、とても宝石の王者とは言えません。

 

ダイヤモンドの美しさはカットされたからこそです。

 

しかし、ダイヤモンドは世界で一番硬い物質です。

 

ダイヤモンドは劈開を利用すれば叩いて割ることは出来ますが、削り取ることは出来なかったのです。

 

研究の結果、世界で一番硬いダイヤモンドを研磨できるのは同じダイヤモンドだけであることが判明しました。

 

ダイヤモンドの結晶は硬い方向と軟らかい方向があるので、ダイヤモンドを粉状にした物を軟らかい方向から研磨すれる方法が発明されたため、ダイヤモンドの研磨ができるようになりました。

 

そして、ダイヤモンドの美しい輝きを最も引き出すブリリアントカット、その中で上から見ると円形に見えるラウンド・ブリリアントカットが発明されました。

 

ラウンド・ブリリアントカットのダイヤモンドの輝きは他の宝石を圧倒しました。この発明がダイヤモンドが宝石の王者の地位を占めるようになった理由の1つです。

 

デ・ビアス社のマーケティング戦略

 

日本におけるダイヤモンドの普及はデ・ビアス社のマーケティング戦略の結果です。

 

1966年にデ・ビアス社が日本を拠点に活動を開始しました。デ・ビアス社は日本のダイヤモンドの輸入量を増加させようと計画しました。

 

日本の市場を調査した結果、戦後のベビーブーマーが結婚適齢期を迎えることが分かりました。

 

そこで日本にダイヤモンドを普及させるにはブライダル市場こそが成長市場であるのでこの市場でダイヤモンド普及のためのプロモーションをすべきであると言う結論に至りました。

 

デ・ビアス社は日本に古くからある結納金に注目して、婚約するときにダイヤモンドの指輪を贈る習慣を根付かせようとしたのです。

 

結納金を現金で納めるのをダイヤモンドを贈るという新たなスタイルです。

 

日本のジュエリーメーカーと協力し合い、製品開発の支援や営業員の教育、雑誌のタイアップ掲載、展示会の目玉商品の斡旋などを行いました。

 

さらに「ダイヤモンドは永遠の輝き」というスローガンや「結婚指輪は給料の3ヶ月分」という習慣を根付かせました。

 

その結果日本でダイヤモンドの輸入量とダイヤモンドの婚約指輪の取得率が大幅に増加しました。

 


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